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"Improvement of the POLIS"をプレイしてみた

どうも、すっかりこのゲームに魅了されてしまったオムそばです。
今までやったボドゲの中でも、トップ5に入るくらい好きかも。

 

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今回は、慶應義塾大学の公認ボードゲームサークルであるHead Quarter Simulation Game Club の有志の方々が作成した、Improvement of the POLIS をプレイしたので、その感想を書きたいと思います。

 

■ゲーム概要

本ゲームは、古代ギリシャを舞台にした拡大再生産系のゲームで、ゲームマーケット2018のゲームマーケット大賞(エキスパート賞)を取った完成度の非常に高いゲームです。

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見るからにワクワクが止まらないボード

 

プレイヤーは、7人いる偉人の中から一人選択し、9ラウンドの間に経済力や兵力などを増強しつつ、勝利点を獲得していきます。
対人インタラクションは比較的少なめで、基本的に自分の思い描いてたとおりにゲームが進められるので、人の邪魔をする系のゲームが苦手な人には特にお勧めです。

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映画などで有名なスパルタも健在。キャラクター毎に固有の能力が存在する。


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こちらはプレイヤー共通のボード。
"税収"は毎ラウンド貰える金、"栄誉"はゲーム終了時の勝利点に繋がる、"兵力"は植民都市を支配する際に必要で、"市民"はダイスロールの数値変化(後述)に使います。


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こちらもプレイヤー共通のボード。
植民都市(赤、青、緑のトークン(知識トークン)が置いてある箇所)と、そこを攻め落とすのに必要な兵力、攻め落とした際に得られる金(DP)と勝利点が書いてあります。

 

1ラウンドの流れとしては、以下の通り。

  1. イベント告知フェイズ
  2. 税収フェイズ
  3. ダイスフェイズ
  4. アクションフェイズ
  5. 発展フェイズ
  6. イベント解決フェイズ
  7. マイルストーンフェイズ


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イベント告知フェイズでは、毎ラウンド違ったイベントが発生します。(イベントの解決は手順6で行われます)


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ダイスフェイズでダイスを振り、アクションカードの上に配置します。


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アクションフェイズでアクションカードをオープン。アクションカードに書いてある数字がダイスの数字より低ければ無償で、高ければ端数の分、市民を減らします。

アクションカードは、以下の7種類があり、ダイスの数だけアクションをすることができます(最初は2つ、最大3つになる)

  1. 立法(市民+3、政治カード+1枚)(数字は1)
  2. 哲学(哲学トークン+1)(数字は1)
  3. 文化(文化レベル分だけ勝利点獲得)(数字は2)
  4. 交易(経済レベル+1分の金を得る、さらに5金を知識トークン一つと交換できる)(数字は3)
  5. 軍拡(軍事レベル分の兵力を得て、さらに一度だけ植民してもよい)(数字は4)
  6. 政治(自分の手札の政治カードを使用する)(数字は5)※政治カードにはコストがかかる。金と必要知識が書いてあり、金は必要数消費し、知識は必要数あればよい(消費しない)。
  7. 進歩(自分のポリス(固有のボードにある能力部分)を1段階進歩させる)


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一人5枚配られる(ドラフトで獲得する)政治カード。どれも中々強力。

 

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発展フェイズでは、指定金額を払うことで、文化や経済や軍備のレベルを強化できます。
強化する際に様々なボーナスを得ることができます。


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マイルストーンフェイズでは、そのラウンドで条件達成した人にボーナスが与えられます。


9ラウンド終了した時点で得点計算となります。
得点は、ラウンドを回している間に得た点に加えて、以下の点がカウントされます。

 

  1. キャラクター毎の能力(ゲーム終了時に得点する系)のカウント
  2. 政治カード(ゲーム終了時に得点する系)のカウント
  3. 栄誉 × 特別な知識トークン数(各色のトークンの絵柄が派手な方)

 

金や、市民数、個人ボードの発展具合は、基本的に点にならないのが特徴です。
なので、発展にばかり気を取られると、思った以上に点が伸びないことがあります。

 

■実際にプレイしてみた

個人評価:★★★★★
プレイ時間(2人プレイ時):50分

 

今回はすぐにでもプレイしたかったので、自宅で一人二役でプレイ。

全然参考にならない余談ですが、一人二役以上でプレイする場合、IOTPのように"プレイヤー毎に固有の能力を持っているゲーム"に対しては、素の考え方でプレイし、お互いの秘匿情報を知らないものとしてプレイするのがコツです。
また、"プレイヤー毎に固有の能力がないゲーム"の場合は、"好戦的な私"、"慎重派な私"、"偏りがちな戦略を立てる私"など、いくつかのロールをおいてプレイするとすごく楽しいです。

終わった後は少し虚しいですが。

 

プレイした感想としては、「100回やっても飽きないゲーム」って感じでした。

まず固有の能力があるキャラクターが7人おり、さらに政治カードが数十種類あって組み合わせが無限大。対戦キャラクターや人数によっても戦略が変わってくるため、毎回違った様相を楽しめることが特徴です。
また、ほとんどのフェイズで、各プレイヤーが同時進行で動けるため、待ち時間が極端に少ないことも、良い点といえます。(一人二役の時はその恩恵を全く受けられませんでしたが)

 

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今回は、軍拡大好き軍団を率いるスパルタと交易など経済面に強いミレトスでプレイ。

 

ゲーム序盤から中盤にかけては、とにかくスパルタは金欠地獄でした。軍拡するために軍事レベルをあげるのですが、そうすると経済がおろそかになり、金が全然足りず、次第に発展できなくなっていきました。
逆にミレトスは、有り余る財力と、ポリスの力によって瞬く間に発展していきました。

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ゴリゴリ発展してすぐにサイコロ3つに。

 

しかし、このゲーム、自らの拡大要素が、勝利点に中々繋がりにくいです。
発展するんだけど、金はあるけど、兵力はあるけど、勝利点に繋がらない。
なので、政治カードや、ポリスの能力でいかに勝利点を効率よく稼ぐかが、このゲームの鍵となります。

 

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最終的に、スパルタが96点、ミレトスが51点と、大差がついて終わりました。

 

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ゲーム終了時の盤面。

 

終わった後は、「あの時ああすればよかった」とか、「今度は別キャラでやりたい」とか、そういった欲求が湧いてくる、無限に時間があったら、無限にやり続けてしまいそうな、素晴らしいゲームでした。
拡大再生産系好きにはたまらないゲームで、また、拡大再生産系の導入としても強くお勧めします。安いし。