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「熊とワルツを」の感想【読書の秋】

どうも、サンプトペテルブルクというボードゲームをやり込みたいオムそばです。
戦略系ボドゲで敗けると、勝つまで攻略法を探したくなりますよね。

 

さて、今月は"読書の秋"と称して、私が持っている技術書の感想文を記事にしていきたいと思います。5冊分くらいは書きたい。
第三弾は「熊とワルツを」です。

熊とワルツを - リスクを愉しむプロジェクト管理

熊とワルツを - リスクを愉しむプロジェクト管理

 


■どんな本?

リスク管理に関する本。
タイトルから、ストーリー仕立ての本かと思ってしまいそうだが、熊は一切登場しないし、ワルツも踊らない。
リスクって、そもそもなんだ?という話から、リスクの管理方法、リスクとの上手な付き合い方が書いてある。
なお、この本でのリスクとは、「1. 将来起こりうる出来事で、望まない結果を生むもの。2. 望まない結果そのもの。」と定義されている。

 

■どんな人におすすめ?

  • PM、PMO
  • 組織長、及びそれを目指す人
  • リスクは全部避ければいいと思っている人

 

■自分に響いたポイント

  • リスクのないプロジェクトには手をつけるな。かならずといっていいほど、何も得るものはない。
  • リスク管理は、積極的にリスクをとれるようにする。不意打ちを防ぎ、注意すべきところに注意を向けられる、最小限のコストによる保険である。
  • リスク管理は成功するプロジェクトを作る。
  • リスク管理は、「リスク発見」「エクスポージャー(抑制コストの期待値)分析」「危機対応計画」「軽減」「移行監視」の5つの要素で構成される。
  • リスクについてできることは以下の4つ。
     1. 避ける:リスクをともなう部分に手をつけないこと。
     2. 抑制する:リスクが実現した場合にかけなければならない時間と
      資金を準備しておくこと。
     3. 軽減する:リスクが実現する前に、後の抑制コストを軽減するための措置を
      とること。
     4. かわす:何もしなかったが、たまたまリスクの襲来をまぬがれること。
  • リスクには、実現を早期に知らせる指標を1つ以上選ぶ必要があり、それらを監視する必要がある。
    「ボールが転がってきた後には、かならず子供が走ってくる。」
    子供が走ってくることを指標としていたら、遅い。危機対応の緊急性や、指標が誤っていたときのコストを慎重に検討して、移行指標を選ぶ。
  • 三つのステップによるリスクを特定する方法。
    破滅的な結果(避けたい事象) ⇒ シナリオ(破滅的な結果をまねきそうな状況) ⇒ 根本原因(リスク)
  • コストと効果は同じ精度で表す必要がある
    (コスト:100万円、効果:どうしても必要だから。はダメ)
  • 価値を無視して実践できるリスク管理の理念などない。価値に見合ったリスクをとる。

 

本の中にはリスク管理の方法として、いくつかの手法(リスク図、先見的インクリメンタル手法)やツール(RISKOLOGY)などが紹介されているが、ここに書くと長くなりそうなため、やめておく。

熊とワルツを - リスクを愉しむプロジェクト管理

熊とワルツを - リスクを愉しむプロジェクト管理