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”管理できている状態”とは?

どうも、ちやほやされるのが大好きなオムそばです。
承認欲求の塊です。

 

今回は、先輩に"管理できている状態とは何か?"という、最近の私の中で一番ホットな話題に対し、一つの解をいただいたので、それを咀嚼するために記事にまとめようと思います。

■管理できている状態とは何か?

管理できている状態とは、以下4点を満たしている状態のことをいう。

  1. "順調"、"警告"、"危険"に対する定量、もしくは定性的な指標が存在していること
  2. "警告"、"危険"の域に達した際の、有効なアクションが定められていること
  3. 有効なアクションを遂行できる状態になっていること
  4. "警告"、"危険"の域に達した事項に対し、有効なアクションを遂行できていること

具体例を交えながら、それぞれの項目を解説します。

 

■1. "順調"、"警告"、"危険"に対する定量、もしくは定性的な指標が存在していること

管理の対象には、数字で測れるもの(テスト実行進捗や、機材の在庫等)と、数字で測れないもの(チームメンバーのモチベーション等)があります。
それらの対象の数字や状態だけ追っても、管理できているとは言えません。

例えばテスト実行であれば、「テスト開始3日目で、50件消化予定に対し、実績は10件でした」という事実に対し、10件が順調の範囲内か、警告の範囲内か、はたまた危険の範囲内か、指標を定めておく必要があります。

また、指標は上振れに対しても設定しておくとよいでしょう。
例の続きで、3日目で50件消化予定が200件の実績があがった場合に、何かアクションする必要があるかもしれません(計画見直しや、追加テストなど)。

なお、"順調"、"警告"、"危険"の3軸の設定が難しい場合は、"順調"、"警告"の2軸で考えてもよいでしょう。 

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◾️2. "警告"、"危険"の域に達した際の、有効なアクションが定められていること

順調であれば特にアクションは不要ですが、"警告"や"危険"の範囲に抵触すると、何かしらアクション(対応策)を取る必要があります。
それぞれの領域に対し、取るべきアクションを定めておきましょう。

先の例の続きで解説すると、進捗が悪くて"警告"になった場合は、「メンバーへのヒアリング(各メンバーの実感(このまま進めてもち直せるか否か)を把握する)」、"危険"になった場合は、「作業工数分析(どこに時間かかっているか?)」をする等。

これらの指標やアクションは、現場の状況や、管理対象の特性、自らのスキルなど、複数の条件によって生き物の如く変化します(マネジメントが難しいと言われるのは、この点です)
よって、管理者は常日頃から自分の中でアクションの引き出しを増やしたり、頭の中の条件文を改善したり、アクションのブラッシュアップをし、臨機応変に対応できるようにしておく必要があります。

 

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◾️3. 有効なアクションを遂行できる状態になっていること

アクションは、絵空事になって実行できなければ意味がありません。
管理者が雑多な作業に追われて、有効なアクションが打てなくなれば、それはもはや管理できているとは言えません。
管理者は、自分に一定の余裕を持っておくか、もし何かあった時に作業を振る先を準備しておく必要があります。

 

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余裕のある人の図

 

◾️4. "警告"、"危険"の域に達した事項に対し、有効なアクションを遂行できていること

有効なアクションは実際にやらなければ効果を発揮しません。
定めたアクションを遂行しましょう。

アクションが人に干渉する場合、反発にあうかもしれません。
その時は相手の話に耳を傾け、吟味し、結論を出し、場合によっては説得し、アクションを続けましょう。

実行件数が1日1件も進まない人が「大丈夫です、なんとかします」って言ってきても、自分がまずいと思ったら(警告以上の領域に達したら)、"大丈夫"の根拠を聞いたり、手が止まっている部分の分析をしたりしましょう。

余談ですが、経験上、「なんとかします」ってセリフは、警告指標の一つだと考えています。

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■最後に

"有効なアクション"と簡単に書いていますが、"有効かどうか"というのは、様々な立場、スキル、環境によって変化します。
そのため、管理者は0番、もしくは5番として、「"有効なアクション"の妥当性の検証」が必要になると思います。

最後に、管理者のためのおすすめ書籍を紹介して終わりたいと思います。

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