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"皆持っているから"が理由になっていない理由

どうも、お正月をエンジョイし切って燃え尽きた感があるオムそばです。
そろそろ仕事モードに切り替えねば。。。

 

さてさて表題の件、よく子供が(稀に大人も)使う、"皆持っているから"買ってほしい、という言葉。
今回はこれを使って問題解決のお話をしたいと思います。

 

この"問題解決"というのは、日々仕事をしていく中で、避けては通れない要素です。
"生産性が上がらない"とか、"リリースしたら不具合が頻発した"とか、"ミスを連発してしまう"とか、ふと見ると、周りは問題だらけじゃありませんか?
これらの問題を解決することが、仕事であると、かつての上司は口を酸っぱくして言っていました。
まさしくその通りだと思います。

しかし、この"問題"という言葉は時に勘違いされて使われることがあります。
それは、"原因""課題"と同義で使われている時です。

 

■問題が発生するのには原因があり、原因と理想(ゴール)の間に存在するのが課題である

問題:現実に起きている負の事象、理想と現実のギャップ
原因:問題を発生させた要因
課題:原因と理想の間に存在する解決すべき事柄
 
よく失敗する例としては、"問題(実際に起きている事象"に対して解決策を考えたせいで、根本的な解決には至らなかった、というケース
表題の、"皆持っているから"という言葉も、まさに問題に対して解決策を考えてしまった事例の一つである。

持っていなかったものがスマホだったとしよう。

問題:自分の周りがスマホを持っているのに自分は持っていない
理想:スマホを自分も所持している
解決策:親に買ってもらう

これに対し、もしも原因が以下だったらどうなるか?

原因:親が経済的に裕福ではないため、スマホを継続利用させるためのお金がない

この原因を無視して解決策を強行すれば、たちまち次の問題(原因は変わらず)に行き当たるだろう。

次の問題:スマホを買ってもらったが通信できない

では、課題は?というと、例えば以下のようなものがあげられる。

課題:スマホを継続利用するためのお金が必要

そうなると、以下のような解決策が見えてくるのではないか。

真の解決策:バイトしてお金を稼ぎ、そのお金でスマホを買う

 


先に述べたように、 問題を課題と同義にしてしまい、結果、誤った解決策を施行しているケースが本当に多く存在しています。
解決策を見出す前に、まず原因分析をすることを強くお勧めします。

なお、補足ですが、原因には"内的要因""外的要因"があることに注意してください。
分析した結果が"外的要因"である場合、自分たちの力では解決できないことがほとんどです。
それに対し、解決策を考えることは時間の無駄であるため、自分たちで解決できる"内的要因"に目を向けて優先的に解決していきましょう。
(外的要因は、しかるべき組織や場所にエスカレーションすればよいです)

 

まぁ、もし娘に「皆持っているからスマホ買って」って言われてこの話をしたら嫌われちゃうんで、ホイホイ買ってあげちゃうんですけどね。

 

世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく

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